「認知行動療法」とは?
こんにちは。
今日もLivelyからメンタルヘルスケア関連の情報をお届けしていきます。
今日は「認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy; CBT)についてご紹介していきたいと思います。
まず「認知行動療法」とは、心理カウンセリングにおいて用いられる治療法の一種です。国立研究法人認知行動療法センターの記述によりますと、認知行動療法とは “認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法”と言われております。
私たち人間は、自分の身の回りに起こるものごとを自らの判断基準によって理解し、その理解をもとに行動をとっていきます。
普段通りの精神状態であれば、ときどきプラス思考になったり、ときどきマイナス思考になったりと2つの考え方の間でうまくバランスを取りながら日常生活を過ごしていくことができるのですが、強いストレスを抱えた状態に陥ったときにこのバランスを取ることができなくなり、マイナスな思考しかできなくなる等の状況に陥ります。
その結果、「うつ病」などの心の病を引き起こすことになります。
そこで、その認知の方法(考え方)を変えることで、気持ちを楽にしたり、行動をコントロールしたりすることでうつ病などの症状を改善していこうというのが「認知行動療法」という治療法になります。
例えば、
昨日友達を見かけた時に話しかけたが、なぜか無視されたとしましょう。最近仕事で忙しくイライラしていたあなたは、このとき「無視するなんて最低だ。もう二度と声かけてやるか」と思うかもしれません。
しかし、もしあなたに心のゆとりがあれば、次の日また見かけたときに声をかけ、「実はイヤフォンをつけていたせいで全く聞こえていなかった」ということが分かるかもしれません。
この場面において、「無視された」という出来事の捉え方を変えることで、「次の日の行動」を変えていこうというのが認知行動療法の治療になります。
図解すると、
無視された→腹が立った→無視し返す
を
無視された→なぜだろう→原因を聞いてみる
といった風に100%ネガティブな思考から、中立的な志向へと考え方を変えていけるように訓練することになります。
【具体的な治療過程】
それでは次に、「認知行動療法」の具体的な進め方をご紹介していきます。通常1週間または2週間に一回の感覚で、30分から60分のカウンセリングを5回から20回にかけて行っていくそうです。
https://www.rcpsych.ac.uk/healthadvice/translations/japanese/cbt.aspx
[進め方]
⑴ストレスに気づき、問題を整理する
例)対人関係の問題、仕事の問題など。
⑵その問題がどのような状況で起き、どのような状況を引き起こしているのかを調べる
⑶自分の考え方が自分の感情や行動にどのように影響しているかを調べる
⑷自分の思考の「くせ」に気づく
⑸自分の思考と現実とのズレを認識し、中立的で現実にそった考え方を行う練習をする
⑹⑴の問題の解決に取り組む
【効果と問題点】
それでは最後に、「認知行動療法」の効果と問題点をご紹介していきます。
[効果]
・「不安障害」「うつ病」への最も効果的な治療法の1つ
・「うつ病」においては、抗うつ剤と同程度の効果が認められています
[問題点]
・即効性がない
といった点が紹介されています。
https://www.rcpsych.ac.uk/healthadvice/translations/japanese/cbt.aspx
「うつ病」についてはこちら
「不安障害」についてはこちら
以上、今回は「認知行動療法」についてご紹介させていただきました。
Livelyでは認知行動療法を専門に活動されている心理士の方がたくさんおられますので、よければ覗いていっていただけると嬉しいです。
それでは本日もありがとうございました。